浜松商工会議所青年部 東日本応援団

 H24/11/30(金)~12/2(日) 「浜松商工会議所青年部 東日本応援団」として昨年の7月以来、1年5ヶ月ぶりに17名のメンバーにて、東日本大震災の被災地を訪れました。

 空路仙台空港におりたち、実際に被災されたバスガイドさんのご案内のもと、視察が始まりました。

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 昼食先は石巻の「北京大飯店」。偶然にも静岡から嫁がれたおかみさんから、震災当日のお話を伺いました。
 平野部が広がるこの辺りでは地震発生後、車で避難をする人々が多かったのですが、事故車の処理による渋滞の中、車を乗り捨てることができずに被害に遭われた方が多く、幸運にも3階建てのこのお店で助けられた人々がライフラインが復旧しない数日の間、燃えるものを全て燃やしながら暖をとり、生き延びた経験を涙ながらに話して頂きました。

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 空港の周辺から、陸前高田まで、未だに瓦礫の山が残る被災地の状況を説明してくれました。
 住宅の基礎が高いことによって津波をまぬがれた家、大きな建物の裏側に位置したことにより直接の被害を免れた家、南北を走る国道が堤防替わりになり助かった西側の集落と、全てを失ってしまった東側の集落と、地形の違いによる人生の別れ道の結果が残されていました。悲惨です。

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 もっとも被害の大きな町の一つ、陸前高田では地元の方による「語り部」による被災体験を聞く事が出来ました。
 7万本の松林が続いた美しい海岸線は戦地のように荒れ果てた姿でした。

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 奇跡的な条件が重なり最後に残った「高田の一本松」も枯れ、被災地の象徴として1億5千万の費用で保存する計画が進んでいるそうです。値段の高い安いの議論はありますが、人類が残した「負の遺産」を未来に語り継ぐためには必要な事なのかもしれません。
 市役所、スーパー、駅、病院、雇用促進住宅といったRC造の駆体のみが残り、そこに人々の営みがあった事が想像出来ない状況でした。

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 宿泊先の大船渡で「大船渡YEG」の皆様が7名、ご参加頂きました。
一緒に食事をとりながら、現在の状況を伺いました。大きなつらさを乗り越えられた人の強さか、昨年お会いしたときに比べて明るい表情をされており、うれしい事でした。
 「助け合う」事がいかに大切な事か、身をもって語っていただけました。

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 仮設住宅の普及に続き、仮設の商店街があちこちに見受けられました。3年間は家賃かからず、様々な団体の好意により内装工事の提供なども受けておられるようですが、一からのスタートをされているお店の皆さんの頑張る姿と、お酒をのみながら賑わう小さな小さな町の姿は一筋の光を見るような気持ちになりました。

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 翌日の午前中は「復興地車窓視察班」は、大船渡YEGメンバーによる説明を受けながら、新しい商工会議所や瓦礫処理場の案内、町作りの問題点などを教えていただきました。「復興地支援活動」のボランティア班では、寒空のもと側溝の泥かき作業を行いました。

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 大船渡での最後は12/1にオープンの「焼き牡蠣」に舌鼓をうちました。穏やかで美しい海からの産物である牡蠣を調味料も使わず、海水のみの自然味付けでいただきます。とにかくやさしい味わいからは、多くの人の命を奪った残忍な海の姿はとても想像が出来ませんでした。

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 車内では3.11被災地のDVDを見ながら一路仙台へ。
 1年半ぶりの仙台YEGの方々と交流会です。仙台の中心部の景色は震災前と何ら変わらない姿がありました。行政の指導力、経済力、政治力の違いで復興のスピードがあまりに違うことに唖然とします。100万人都市の杜の都仙台、ここで感じられる活気と勢いは東北人の復興にかける東北の都としてのプライドを感じるような気がしました。
 仙台YEGの皆さん、今年も最後までおつきあいを頂き、誠にありがとうございました。

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 翌日の被災地訪問は壮絶でした。空港近くの海辺の町「閖上地区」「荒浜地区」です。
高い建物、山がほとんどない平野のこれらのまちは、人々の生活を全て流してしまいました。歩道橋の上から、小中学校の上層階から、自分たちの生まれ育った町と、人々が海へと流されていく様を見なければいけなかった皆さんのお気持ちは想像を絶する事です。

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 慰霊碑が祭られ、ご遺体にあうことが出来なかった遺族の皆さんが日々、お花とお線香を持って訪れてこられているようでした。HYEGとして献花、ご冥福をお祈りしました。

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 帰り際に大きな被害を受けて復旧をした「キリンビール仙台工場」を視察し、再び空路名古屋より浜松に戻りました。

 陸前高田の語り部が言っていました。
 「欧米の人々は人類の負の遺産を後世に残している。ナチスドイツの収容所では人骨の展示まで行いながら、過ちを繰り返さない様に警鐘を鳴らしている。それに比べ日本は、新しくする事による美徳を重んじているのではないか。原爆の跡を残した広島と残さなかった長崎、これをどう感じるのか?残していても伝える事は難しい。残らなかったら確実に忘れ去られてしまう。私たちは高齢で、この街がもとに戻る姿を見届ける事は出来ない。でも、せめてこの街がどんな方向に進んでいくのか見で届ける事が出来ればと思い、この語り部という仕事をしている・・・・」

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 2泊3日の短い行程でしたが、自らの目と耳で感じた事を各メンバーが持ち帰りました。
来るべき「東海地震」の際の地域を支えていくリーダーとしての役割を求められる事があるだろうし、自分たちが感じた事を他の人に、家族に子供たちに伝えていく重い役割を担ったような気がしました。おそらく皆が感じた事だと思います。

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今回の東日本応援団にたずさわった全ての皆さんに深く感謝致します。

平成24年度 浜松商工会議所青年部 会員委員会 委員長 竹村謙一

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~おまけ~

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